杉工場

– 天板 ／ Ａ

– 天板 ／ Ｂ

– 天板 ／ Ｃ

– 天板 ／ Ｄ

2025年2月より〝工場限定品〟シリーズをスタートしました。このシリーズでは、工場で行き場を失っていた材を活用したアイテムや、実験的に作られた特別なアイテムなど、他では手に入らない限定商品をご紹介します。カタログには載っていないため、在庫がなくなり次第終了となります。これからも時々発表していきますので、どうぞ気長にお楽しみいただけると嬉しいです。

かつて家族団らんの象徴として多くの家庭に親しまれてきたちゃぶ台。若い世代の方には馴染みが薄いかもしれませんが、古き良き日本の姿が目に浮かぶとても懐かしい存在です。今回ちゃぶ台を作るきっかけとなったのは、古い折りたたみ座机。社長が幼少期より自宅で使用していたもので、ずっと昔（おそらく昭和の初め頃）に杉工場で作られたものでした。脚の折りたたみには金具を用いず、しかも畳んだ脚がプラプラと動くことなく、天板下にぴったりと収納できる構造。先人の技術に感銘を受けたことからちゃぶ台の開発が始まり、たくさんの試行錯誤を重ねて、ようやく完成に至りました。

丸い天板は直径84cm。お部屋の好きなところに移動して使えるよう、また、必要のないときには折りたたんで収納できるように、持ち運びやすいサイズ感に仕上げています。天板の高さは30cm。ソファがあるのに気付いたら床に座っている…という経験は誰しもあるのではないでしょうか。視線が低いとなんだか落ち着きますよね。ちゃぶ台でそんなひとときを過ごしてもらえたら嬉しいです。

今回は新たな取り組みとして、色味の薄いウォールナット材ばかりを寄せ集めて使用しています。通常、色味の薄いウォールナットは濃いものと組み合わせて使用したり、適材適所に用いる等の工夫をこらしていますが、年々その保管量が増え、行き場を失っていました。そこで思いついたのが、柿渋を塗ることで色味を整える方法です。柿タンニンを豊富に含む柿渋には、木に栄養を与える働きがあり、防虫・防腐効果も期待できます。時間とともに赤みが深まり、味わいが増していく様をお楽しみください。