杉工場

ずっと前からあるような、それでいて今の感覚もしっかり受け止めてくれるもの。shiro シリーズは、デザインユニット SAVA の関聡子さん・昌生さんご夫婦と杉工場による協働から生まれました。さりげない特徴をいくつも持ち合わせながらも、それらが共存し shiro 独自の普遍的な世界観をつくり出しています。

静謐なメラミンの白にメープルの無垢材枠、清々しく伸びる角脚が気持ちよく調和している、正方形のテーブル。4人掛けとしてのミニマルなサイズ感が物としての濃度を高めているようです。近年では無垢材に目が行きがちですが、メラミンは耐久性・耐熱性・耐水性に優れ、日本では昭和初期頃から家具や建具などにもよく使われてきました。「四月の魚」の空間にも食器棚や建具にメラミンが多く使われていました。天然木と違い、メラミンはスポンジが使え、アルコール除菌もできる食卓に適した優れた素材です。table squareでは天板の周囲を5mm幅のメープル無垢材で丁寧に囲い、凛とした中にも優しさを感じられる仕上げになっています。天板厚も厚すぎず薄すぎず、関夫婦らしい細やかな気配りが魅力です。この table square と desk ss を関夫妻のご自宅の居間でも組み合わせて使われているのだとか。「食事の時とか作業をする時にさっと移動させて使います」と関さん。くっつけたり離したり。気軽に動かせる軽やかな様には愛嬌も感じられます。北欧デザインにも通じるさわやかな印象がありつつも、繊細で最小限の機能美があり日本特有のしっとりとした空気をまとっているテーブルです。