杉工場

ずっと前からあるような、それでいて今の感覚もしっかり受け止めてくれるもの。shiro シリーズは、デザインユニット SAVA の関聡子さん・昌生さんご夫婦と杉工場による協働から生まれました。さりげない特徴をいくつも持ち合わせながらも、それらが共存し shiro 独自の普遍的な世界観をつくり出しています。

shiro シリーズの中でも初期に開発された shelf-slit は、ひときわ個性をもったプロダクトです。壁や柱に寄り沿わせても自然に馴染み、何かの隙間にそっと佇ませても良い。デスクのそばやあえて広い空間に置くのも面白いかもしれません。shelf-slit は、使い方が規定されておらず、使い手に大きな「自由」が委ねられています。モデルになったのは骨董品の棚。住宅の備え付けの棚のようでしたが、関さんご夫婦にとってはその棚単体としての魅力に惹かれたと言います。お二人の拠点である「四月の魚」の空間にその棚を置くとしたら、と想像を膨らませ SAVA のシリーズを象徴する shelf-slit が完成しました。個性的な作品からお花やアクセサリーといった日常の小さな物まで、ちょこんと置くだけでより愛しい存在に感じられるから不思議です。棚の役割は収納だけではありません。床の間のように物を引き立てる居場所になることも大切な役割なのだと shelf-slit は改めて教えてくれます。シリーズでコーディネートしても、また単体でも、さまざまな使い方を受け止めてくれるはずです。