杉工場

こどもに特化はしても、限定はしない。家族みんなの家具になるために生まれたのが〈Familia〉です。近年、リビングは「くつろぐ場所」から、勉強や仕事をするスペースも兼ねる「多目的な場所」になりつつあります。デスクを置いてもリラックスできる空間は守りたい、そんな想いで開発したのがキャビネットデスクです。

キャビネットデスクは、リビングでの存在感、使用感、標準的な教科書のサイズから全体のサイズを設計しています。また、くつろぐ場所であるリビングに置くデスクには、オンとオフ、リラックスと集中、相反するものを受け入れられるものでなければなりません。キャビネットデスクは天板を開けばデスクとなり、閉じればキャビネットになります。そうすることで、雑多になりがちな教科書や参考書を見せない形で収納することができ、その小さくもパーソナルなデスク空間は、自分だけの落ち着ける場所になってくれるはずです。集中の持続を生み出すことからフットレストを設置していますが、不要になれば取り外し脚元をよりスッキリ見せることもできます。手や足がふれる汚れがちな部分にはメラミンやアルミ樹脂複合板を採用。品性を感じられる真鍮無垢のステー金物もオリジナルで製作したものです。脚にスチールを用いたり、収納の仕切りを最小限にすることで、キャビネットとしての軽やかさ、そして暮らしの中での汎用性を高めました。

キャビネットデスクが目指したのは「ピアノのような存在」になること。ピアノは感性を育てるもの、家族と共にあるものです。リビングに置いても馴染み、蓋を閉じれば静寂を生み、空間に品性と優しさをもたらしてくれる。キャビネットデスクもそんな存在でありたいと願っています。