杉工場

企画展

清水善行 陶展

年月がもたらすもの

福岡から一番近い国、韓国。年明け早々、清水夫妻と共に、友人の陶芸家をたずね韓国を訪れました。
国立中央博物館では、朝鮮半島の陶磁器の歴史、高麗から李朝へと移ろうたくさんの焼き物を目に
することができました。特に李朝時代の民窯(一般民衆向けに焼かれた陶磁器)の丸みのあるフォルム、
長く使われるうちに出来た模様には、何とも言えない深みを感じます。清水さんが白磁を作陶する
きかっけになったのは李朝の器を手にした時だったそうで、小ぶりながら重みのある、その大らかな
曲線美に惹かれたのだそうです。李朝時代には家具もありますが、永い年月に耐えてこそ味わえるもの、
移住を余儀なくされた戦争の歴史や、時代の移ろいの中にあって生き抜いてきたそれらは、無数の傷
によってひっそりと語っているようにも思えました。丈夫で長持ちする棚や机。私ども家具工場でも、
大きなテーマのひとつです。

今回の展覧会では、清水さんの作品と関係の深い韓国のお話しをたくさんお聴きしたいと思っています。
打合せの中で何度も出てきた「重さ」という言葉がキーワードとなりそうです。
どうぞ皆さま暖かくしてお出かけ下さい。京都 童仙房のほうじ茶を淹れてお待ち申し上げております。

2/17,18
 清水のばらさんによる喫茶。東大寺 二月堂の「お水取り」にちなんだ和菓子〝糊こぼし〟、
 「月とピエロ」さんの〝月と砂漠サブレ〟などのお菓子をご用意しております。